【工事内容】
今回は、共用廊下などに設置されているPS扉(パイプスペース扉)の塗装工事における、重要な下地処理工程をご紹介します。PS扉は金属製のため、経年劣化により錆が発生しやすく、美観を損なうだけでなく扉自体の耐久性を低下させる原因となります。美しい仕上がりと塗膜を長持ちさせるためには、塗装前の下地処理が極めて重要です。
【作業手順】
今回の写真は、錆止め塗料を塗布した後の研磨作業の様子です。
下地調整(ケレン・錆止め): まず、既存の塗膜の劣化部分や発生した錆を丁寧に除去し、清掃します。その後、新たな錆の発生を防ぐために、錆止め効果の高い専用塗料を塗布します。
研磨作業(目荒らし): 錆止め塗料が完全に乾燥した後、写真のように研磨紙(サンドペーパー)を使って手作業で表面を研磨します。この工程は「目荒らし」とも呼ばれ、2つの重要な目的があります。
平滑性の確保: 塗料のわずかな凹凸をなくし、表面を平滑にすることで、次に塗る中塗り・上塗り塗料の仕上がりが格段に美しくなります。
密着性の向上: 塗布面に微細な傷をつけることで、塗料の食いつきが良くなり、塗膜の密着性を高めます。これにより、塗膜が剥がれにくく、耐久性が向上します。
今回は、より丁寧な仕上げを実現するため、この研磨作業を2回にわたって行いました。
【工事結果】
このような地道な研磨作業を丁寧に行うことで、塗料がPS扉の表面に強固に密着し、長期間にわたって剥がれや錆の発生を防ぐ強靭な塗膜を形成することができました。最終的な仕上がりも、滑らかで美しい外観となります。
【まとめ】
塗装工事では、最終的に塗る上塗り材に目が行きがちですが、その性能を最大限に引き出し、建物を長期間保護するためには、今回ご紹介したような下地処理が不可欠です。私たちは、見えない部分こそ丁寧に行うことが、高品質な塗装に繋がると考えております。
ご自宅や所有物件の塗装に関するご質問やご相談がありましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。