外壁のひび割れは、放置すると雨水侵入による腐食やシロアリ被害など、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
しかし、ひび割れには種類があり、原因によって適切な対処法が異なるため、まずは原因を特定することが重要となります。
この記事では、外壁のひび割れの原因と適切な補修方法についてご紹介します。
□外壁クラックの原因と種類
外壁のひび割れは、専門用語で「クラック」と呼ばれます。
クラックの原因は様々ですが、大きく分けると以下の5つが挙げられます。
1: 乾燥や経年劣化
外壁材は、経年劣化によって塗膜が剥がれ、ひび割れが発生することがあります。
これは、コンクリートなどの外壁材が、経年による水分蒸発で収縮し、ひび割れが生じる「乾燥クラック」と呼ばれるものです。
新築住宅でも、コンクリートの特性上、乾燥収縮によるひび割れは発生することがあります。
2: コンクリートの中性化
コンクリートは、アルカリ性です。
しかし、雨や紫外線にさらされることで、内部のカルシウムなどが二酸化炭素と反応し、徐々にアルカリ性を失っていきます。
これを「コンクリートの中性化」と呼びますが、中性化が進むと、内部の鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートのひび割れや剥落(はくらく)を引き起こす原因となります。
3: 施工不良
新築時などコンクリートを打設する際に、施工上の不備によってひび割れが発生することもあります。
例えば、コンクリート打設時の締め固め不足や材料分離によって砂利が基礎コンクリートの一部に集まることで隙間が生じる「ジャンカ」、コンクリートを打ち重ねる際に適正な時間の間隔を過ぎて打設することで、両者が一体化せず、打ち重ねた部分に不連続な面が生じる「コールドジョイント」などが挙げられます。
また、塗装面のひび割れに関しては、塗装時の施工不良も要因となります。
・ 施工時の塗装の乾燥不足
・ 不適切な塗料の使用
・ 下地処理の不備
などが挙げられます。
4: 地震
コンクリートの基礎は、横からの力に弱いという性質があります。
そのため、地震による揺れで基礎が引っ張られると、ひび割れが生じることがあります。
地震によるひび割れは、比較的大きい傾向があり、0.4mm以上のコンクリートのひび割れがある場合は、地震によるひび割れが考えられます。
5: 不同沈下
地盤が均等に沈下せず、建物が傾斜すると、建物に無理な力が加わり、ひび割れが発生することがあります。
近年では、地盤調査や地盤改良がしっかりと行われるようになったため、不同沈下によるひび割れは減っていますが、古い建物では注意が必要です。
□外壁クラックの補修方法
外壁のひび割れの補修方法は、ひび割れの幅によって大きく変わります。
1: 0.3mm以下の細かいひび割れ
0.3mm以下の細かいひび割れは、「ヘアクラック」と呼ばれ、内部に水が浸入しにくいことから、様子見でも問題ない場合があります。
しかし、放置するとひび割れが拡大し、雨水侵入のリスクが高まるため、定期的に状態をチェックすることが大切です。
2: 0.3mm~1mmのひび割れ
0.3mm~1mmのひび割れは、水が浸入しやすい状態です。
そのため、早急に専門業者に相談し、適切な補修を行う必要があります。
補修方法は、ひび割れの状況や材質によって異なりますが、一般的な方法としては、以下のものがあります。
・ シーリング材による補修
ひび割れにシーリング材を充填することで、雨水侵入を防ぎます。
・ ウレタン樹脂による補修
ひび割れにウレタン樹脂を注入することで、ひび割れを修復します。
・ モルタルによる補修
ひび割れ部分をモルタルで埋め、補修します。
3: 1mm以上のひび割れ
1mm以上のひび割れは、すでに内部に水が浸入している可能性が高いため、早急に専門業者に相談し、適切な補修を行う必要があります。
放置すると、雨水による腐食やシロアリ被害など、深刻な問題を引き起こす可能性があるため、早めの対応が重要です。
補修費用は、ひび割れの大きさや場所、補修方法によって異なりますが、数万円から数十万円かかることもあります。
□まとめ
外壁のひび割れは、放置すると深刻な問題を引き起こす可能性があるため、早期に対処することが重要です。
ひび割れの原因や種類、補修方法を理解し、適切な対応を取ることで、安心して安全に暮らせます。
まずは、専門業者に相談し、現状を把握することが大切です。
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